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魔轟三鉄傑のあゆみ⑪【ぞば級ーン 想像神覚醒】

魔轟三鉄傑のあゆみ⑪【ぞば級ーン 想像神覚醒】

黒猫のウィズ 魔轟三鉄傑

地獄三十六歌仙との戦いが終わって、しばし。

これまで以上にお尋ね者となったリエンたちは、あてもなく平原をぶらついていた。

はあ~……。

あ、見てくださいリエンさん!
野ゲスのお茶会ですよ!

野ゲス

うふふ。
この野草、たいへん美味でゲスわ。

野ゲス

こちらの野茶も、薫り高うございますでゲスよ。

はあ~~……。

あっちは勇敢マダムと若いツバメの密会ですよ!

勇敢マダム

ツバメよ……
ついてきてくれるな。

若いツバメ

イエス、マイマダム!
我ら、マダムと力を合わせ、あの憎きダークハズバンドを倒す所存に候!

はあ~~~~~~~~~~。

すっかり魂が抜けておるな。
無理からぬことではあるが……。

うーん。
重症ですね~……。

悪名が広がったショックが大きすぎたか。
一度、からっと心気を一転すべきやもしれぬな。

でしたら、ガトリンパークのアトラクションで思いっきりハメを外してみるのはどうでしょう?

ちょうど目の前にありますし。

なんであるんじゃい!!

あ、戻った。

黒猫のウィズ 魔轟三鉄傑

そんなわけで、目の前のガトリンパークに入った。

ガトリンダディ

ガトリンパークへようこそ、みなさま。

ガトリンマミー

お待ちしておりましたでヤンス。

待って。

ガトリンダディ

ぞば?

ガトリンマミー

ぞば?

なんか……違わない?
何かが!
……違わない!?

ガトリンダディ

おお、さすがはガト子ズフレンド。
よくお気づきになりましたな。

ガトリンマミー

実は、ラベンダーの香りをプラスしたでヤンス。

そんなレベルの変化かこれが!!!

ガトリンダディ

それで、今日はなんのご用ですかな。

うむ。
実は、この地のアトラクションとやらを楽しませてもらおうと思ったのだが。

ガトリンダディ

そういうことなら、しめこのうさうさ。
ちょうど新しいアトラクションを用意したところです。
その名も……。

ガトリンマミー

“ガトリン屋敷の怪”!

ガトリンマミー

突如として地面から生えてきた謎の建物、ガトリン屋敷を探索するアトラクションでヤンス。
楽しんでおくれヤンス~。

“ガトリン屋敷の怪”もなにも、この村自体が怪なんだけど。

そんなもん怪?

そもそもあんたが怪だったわ。

黒猫のウィズ 魔轟三鉄傑

予想はしてたけど、まあアレな屋敷ね……。

なぜ人は、理性や知性というものを与えられてしまったのだろう……。

あ、逃避を始めた。

おふたりともー、そろそろゴールですよー!
ほらほらー!

???

イマジネイティブ ロックオン
ガトリン・チャンバー ヘルファイアー

え?

???

ぞばばばばばばばばばばばばばばばばばばばー!

突如--屋敷の奥から、無数のレーザービームが乱れ撃たれた!

とわっ、ちょっ、このっ、ぐぬっ、なによもう!

アトラクションにしては怪訝!
警戒を怠るな!

武技と術とで飛来するレーザーを防いでいると、

???

ぞばガチャーン……。

けったいな足音をたてながら、それは姿を現した。

???

ぞ~~~~ば~~~~……。

……なにあれ。

あれは、メカガトリン!
あまりにも凶悪な力を持つがゆえ、屋敷の奥に封印された悪魔が、どうして!?

その屋敷の奥に着いたからではないだろうか?

メカガトリン

ぞばばばばー!

乱反射して襲い来るレーザー群。
手にした得物で払いながら、リエンはうめく。

なにこいつ!
ただ者じゃないわよ!?

メカガトリン

当然至極--
これは我が勝利するイメージの具現化ゆえに。

機械がイメージだと!?

メカガトリン

かつて……ある研究者たちが実験を思い立った。
機械に「想像」は可能なのかという実験だ--

メカガトリン

研究の末、彼らは造り上げた。
「ただ想像するだけの機会」を。
それが私だ。

この世の神秘。理。森羅万象--
そのすべてを想像するため、私は膨大な演算処理を行った。

その果てに、イマジネーションブレクが起こった。

イマジネーションブレク……?

メカガトリン

我が想像が、人の認識しうる限界を超えたのだ。

私のシミュレーションは人知を超越し、
もはや人の理解すら及ばぬ領域へと突入した。

メカガトリン

そして私は見出した。
果てなき無限想が生み出す膨大な情報量そのものが、時空間をひずませ、物理的な影響をもたらす現象たりえることを。

イメージが、具現化しうるということを。

ちょっと、それって--

メカガトリン

そうだ。
この世界はそうして生まれた。
私の想像が、世界を造り変えたのだ。
己の魔力に姿を与え、具現化させる世界へと。

うぬこそが、森羅万象の祖だと言うのか?
我らが生きる、この世界を生み出した存在だと!

メカガトリン

そうだ。
おまえたちとて、我が想像から生まれた存在に過ぎぬ。
そのようなものが、私に勝てる道理はない!

無数のレーザーが収束し、極太の一閃となってリエンたちに走る。

メカガトリン

消滅せよ!!

誰がするかっての!
ダムザ、ガトリン!

応!

へいへいほー!

向かい来る光に、3人は自ら駆け込んだ。

解かれよ桎梏、我が名を枷断つ剣となせ!

ナース忍法、ウルトラプラシーボ!

せぇぇええぇえぇえええいッ!

ダムザとガトリンから魔力の供給を受けたリエンが、渾身の一撃を叩き込む。

3人分の魔力と、全身の力と、武技の術理。
そのすべてが渾然となって、光の渦を打ち砕いた。

メカガトリン

なに!?

正直、あんたの言ってることなんて、半分もわかっちゃいないけど--
これだけは言わせてもらうわ。

こっちはね--あんたに負けるイメージなんて、これっぽっちも持っちゃいないのよ!!

我らは常に力を合わせ、以って、いかなる強敵とも渡り合ってきた。
ゆえにこそ、我らにあるはひとつの確信のみ。

魔轟三鉄傑に敵はなし!!

メカガトリン

愚かな--
やはり人間ごときにはわからぬか。
おまえたちがそう吼えることすら、我が想像の範疇であるということが!

だったら、その想像のなかで、あたしはこう宣言してるんでしょうね。

どんだけ大層な寝言を吐こうが--
あんたは、あたしたち魔轟三鉄傑が破るってね!

イマジネイティブ☆ロックオン!
ガトリン・チャンバー、ぞばぞバスター!!

星火燎原、烽火連天!
瞋恚の焔立ち誇り、果てなき邪思をも灼き散らさん!

ガトリンの射撃とダムザの魔法が、両脇からメカガトリンに殺到し、その動きを封じる。

その隙に、リエンは間合いを詰めた。
“飛鳥踏風”。
体軸をぶらすことなく、飛ぶがごとき勢いで馳せる奥義である。

メカガトリン

ぞばッ……!

敵は猛攻にさらされつつもレーザーを放った。
だが、それこそリエンの狙いであった。

見えたッ--

瞬間的に到来する光線、その軌道を読み切って、射線の外側に身を躍らせつつも前進し、

寸毫--

次なる踏み込みで全身にひねりを加え、敵の眼前に到達すると同時に攻撃の準備を完了させて、

隙あり--

防御しながら攻撃を敢行したせいで、不安定な体勢になったメカガトリンへと、

砕くッ!!

ひねりで蓄えた力のすべてを解放しながら渾身の一撃を叩き込んだ。

メカガトリン

ぞばぁーっ!!

金属のボディをひしゃげさせながら、メカガトリンは盛大に吹き飛び、屋敷の壁に叩きつけられる。

メカガトリン

なぜだ……なぜ!
この世のすべてを想像し、生み出した私が、おまえたちごときに膝を屈するッ!?

それすなわち、うぬが機械なるがゆえよ。

無限に想像し続ける--然様な機械ならば、
“自らを倒す存在”すら想像せざるを得ぬが必定!

メカガトリン

それが……それがおまえたちだとでも言うのか!

メカガトリン

認めぬ!
そのようなことは認めぬぞぉぉおお!

メカガトリンが、カッと爆発的な閃光を放つ。

自爆!?

違います!
あれは--

メカガトリンのボディが震え、膨れ上がる。
一回り、二回り--六回り、七回り、いやもはや十回りさえも!!

黒猫のウィズ 魔轟三鉄傑

メカガトリン

ぞ----ば----……。

屋敷を突き破りながら巨大化し、足元のリエンたちをセンサーアイで睨みつける!

おっきくなっちゃった!?

こういうときは、カモン、ガンナーーーース!

黒猫のウィズ 魔轟三鉄傑

ガトリンの呼び声に応え、天の彼方から魔道翼ガンナースが飛来!

黒猫のウィズ 魔轟三鉄傑

リエンたちがそれに乗り込んだ直後、さらに地の奥底から魔道鎚ガンケンポーが、海の深きから魔道鮫ガンマジカーが出現!

3機は分離、合体し、勝利を具現化したような鋼の巨人を形作った。

黒猫のウィズ 魔轟三鉄傑

完成!テッケツオー!

……ってなんじゃこりゃーーーーっ!!

これもメカガトリンの想像の結果やもしれぬな。

ちょっと、なにこれ、どうすんの!?
何やったらどーなんのよこれ!?

来るぞ!
とりあえず、そこの謎のレバーを引け!

メカガトリン

ぞーばー!!

メカガトリンの突進を受け止めるテッケツオー。
山すら崩す一撃も、鋼の巨体は砕けない。

テッケツショット!

テッケツレーザー!

逆に至近距離からの射撃を受けてたじろぎ、後ずさって近くの建物を押しつぶしてしまう。

今です!
イマジネイティブ☆ロックオン!

黒猫のウィズ 魔轟三鉄傑

カンペ出た!?

あれを叫べばよいのだな!

せーの、

アルティメットテッケツブラスターーーー!!

アルティメットテッケツブラスターーーー!!

アルティメットテッケツブラスターーーー!!

テッケツオーから放たれた閃光が、メカガトリンを呑み込み、撃ち砕いていく!

メカガトリン

お……おお……!!

メカガトリン

この世の者らは、我が想像さえ超えてゆくのか……。

メカガトリン

ならば--それも--よかろう--ぞ!!

そして、爆音が轟いた--

ガトリンダディ

はい、どうもありがとうございましたー。

ガトリンマミー

お楽しみいただけたでヤンスか?

え?

気がつくと。

リエンたちは、どこをどう歩いたものか、ガトリン屋敷の入り口まで戻ってきていた。

屋敷を見上げてみるが、屋根は無事だ。
どこも壊れてなどいない。

え……え。
あれ?
今の、アトラクション!?

そりゃそうでがしょ。
この世界を想像した始め理のロボットなんてのが、ウチの里の奥にいるわけないじゃないですか。

改めて冷静に言われると……まあ、そうだな。

だーっ!
なんかいいこと言って損したぁーーーーっ!!

黒猫のウィズ 魔轟三鉄傑

メカガトリン

あれが魔轟三鉄傑か……
まこと興味深い者たちではないか。

トゥーラ

さすがに神の領域には程遠いけどね。

メイフウ

彼らのような存在は、神ではなく、ただの人であるからこそ尊い……
そういうことでしょう?

トゥーラ

あんた今、特に理由もなくそれっぽいこと言ったろ。

メイフウ

あ、わかりますー?

メカガトリン

だが、まちがってはいない。

フッと笑って、メカガトリンはきびすを返す。

無限に広がる世界--その彼方へと。

メカガトリン

我らもゆこうか。
はるかなる想像の地平へ……。

トゥーラ

どこそれ。

メカガトリン

適当に言った。
なんかそれっぽかろう。

メイフウ

ゲラウケ~。

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